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派遣の場合は、労災保険が適用される事業所が派遣先の事業所ではなく、派遣元の事業所となるために、保険率の算定が作業実態と懸け離れたかたちで行なわれる可能性がある。
現在も、労働者派遣事業に対する労災保険率の適用については「事業主間の負担の公平を失することのないよう、個個の作業実態をみて判断する」とされているカヌ、従来は事務用機器操作等、オフィスワークが派遣の主な対象業務であったこともあって、多くの場合、労災保険率としてはもっとも低い「その他の各種事業」の保険率が現実には適用されていると聞く。
派遣先が指揮命令を行なう派遣の場合には、派遣元事業所が労災保険の適用事業所となり、請負会社が指揮命令を行なう請負の場合には、実際の作業現場が適用事業所となるというのは何とも理解に苦しむが、こうした建て前を前提とするかぎり、「個々の作業実態をみて判断する」といっても、そこには限界がある。
さらに、労働者派遣法は、労働基準法の適用に関する特例(44条)を定めるにあたり、以下のような理由から、労基法に規定する使用者の災害補償責任はもっぱら派遣元事業主がこれを負うべきであるとして特例を設けなかった(そのため、派遣法には労災保険法に関する特例について定めた規定も置かれなかった)が、根拠としてはやや薄弱といわざるをえず、こうした制度設計の基本にそもそも問題があるといえる。
派遣元事業主は、労働者の派遣先事業場を任意に選択できる立場にあり、労災事故の起きた派遣先事業主と労働者派遣契約を締結し、それにもとづいて労働者を派遣したことに責任があること。
派遣元事業主は、派遣労働者を雇用し、自己の業務命令によって派遣先の事業場において就労させているのであるから、派遣労働者を雇用している者として、派遣先の事業場において派遣労働者の安全衛生が確保されるよう十分配慮する責任があること(なお、この責務については労働者派遣法第31条に明記されている。
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業務上の負傷、疾病に係る解雇制限の規定(労基法第19条第1項)あるいは退職による補償を受ける権利の不変更の規定(労基法第83条第1項)は、労働契約関係の当事者である派遣元事業主に災害補償責任があることを前提としていると考えられること。
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